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【がん看護師になるには】役割や仕事内容は何があるのでしょうか

がん治療の3本柱は手術療法・放射線療法・化学療法の3つです。そこに緩和療法が加わり、集学的な治療と同時に緩和療法も進めていくのが現代のがん看護の医療です。今回は、近年特に進歩を続けている放射線療法・化学療法・緩和療法おける看護師の役割や仕事内容について簡単にご紹介します。看護師になるにはどのような仕事内容があるのか役割があるのかを見てみましょう。

2017年12月17日

放射線療法における看護師の仕事

放射線療法とはがん(もしくは一部の良性腫瘍)を制御する目的で放射線を照射する治療のことです。

根治を目的とすることもあれば緩和を目的とすることもあり、他の治療と比べて副作用や侵襲が少ないことが放射線療法の特徴です。

放射線治療における看護師の仕事内容は以下が中心となります。

  • 治療開始時のオリエンテーション
  • 治療を行うにあたっての安全安楽な支援
  • 治療期間中の経過観察と指導

オリエンテーション関しては治療方針や目的、治療計画を十分に把握したうえで、治療内容や流れ、副作用や日常生活の注意点について説明していきます。

このとき患者さんの治療や病状に対する理解度を確認しながら説明を進めることが大切です。

治療を行うにあたっての安全安楽な支援は、特にADLが低下している患者さんや、高齢で認知機能の低下がみられる患者さんなどの移乗介助やポジショニングの援助などを指します。

また疼痛などの症状がみられる場合は症状コントロールも必要であり、患者さんに一人一人に合わせた援助が必要となる仕事です。

治療期間中の経過観察と指導では、主に照射部位や副作用の観察とケアを行います。

放射線療法は主に外来で行われますので、セルフケアの指導を行い、日常生活と治療を両立できるようサポートしていきます。

このように放射線療法では、放射線の種類、治療方法、副作用を十分に理解したうえで、起こりうる有害事象を予測して対処すること、患者さんの治療への理解を深めて治療を完遂できるよう援助することが看護師の役割になります。

化学療法における看護師の仕事

化学療法は、がん看護においてポピュラーな治療といえるのではないでしょうか。

化学療法は抗がん剤を点滴、もしくは内服してがんを治療するものです。がんの増悪を抑える、転移を防ぐなどの効果があります。

化学療法における看護師の仕事内容は以下になります。

  • 治療開始時のオリエンテーション
  • 治療前の患者状態のチェック
  • 医師の指示のもと抗がん剤の投与、観察
  • 治療後の患者状態の観察
  • セルフケアの指導

化学療法のオリエンテーションに関しては、現在では薬剤師が行うことが多くなっていますが、看護師は治療スケジュール、治療中の注意点などの説明を行います。

特に化学療法の仕事の役割は、治療中のアナフィラキシーショックやインフュージョンリアクションが出現する可能性がありますので、すぐに対処できるよう、本人や家族に十分に説明することが重要です。

治療前の患者状態のチェックは看護師の仕事となります。

もちろん医師もチェックをしますが、血液検査の結果やバイタルサイン、自覚症状を確認し医師へ報告します。

報告後、医師の許可が出たのを確認し、治療を開始します。

どのような状態であれば治療可能なのか、各検査結果や患者状態を理解しておくことで、医師との連携もスムーズにとれます。

医師の指示のもと、抗がん剤の投与は看護師が行います。抗がん剤には点滴と内服があります。

点滴治療の場合は特に副作用の出現や、点滴刺入部の観察、滴下管理が重要になります。

治療終了後も患者さんのバイタルサインを始めとした状態観察は重要な役割です。

副作用は日を経るに連れて出現する場合が多いため、継続した観察が必要となります。

また、化学療法初回は入院で行いますが、ADLが自立していて副作用があまりない場合は外来治療へと移行する場合が多くなっています。

外来で行う場合は特に日常生活の注意点や副作用症状など、セルフケアについて説明していきます。

このように、化学療法では治療前・中・後と通して看護師は患者状態を観察していくことが重要な看護師の仕事内容です。

化学療法では疾患により抗がん剤のメニューは異なり、また治療を補助し副作用を予防するための薬剤も用います。

抗がん剤が変われば出やすい副作用も違いますし、使用する点滴ラインも専用のものを使う場合もあります。

看護師は治療内容を深く理解していなければ治療における安全安楽を患者さんに提供できません。

治療を安全にできること、有害事象の予防を念頭においてアセスメントすることが大切な役割といえますね。

緩和療法における看護師の仕事

緩和療法は疾患の早期から身体的、心理的、社会的な問題を評価し、予防・対処する役割があります。

緩和療法における看護師の仕事は以下になります。

  • 症状マネジメント
  • セルフケア向上のための支援
  • 患者自身の症状マネジメントをサポート
  • 家族の支援

症状マネジメントは緩和療法で極めて重要な看護師の役割と言えます。

がんに伴う身体的な症状が緩和されること、精神的な安定が得られるようサポートすること、社会的な問題が解決されることを目標とし、他職種と連携を図りながら治療を進めていきます。

セルフケア向上のために欠かせないのは、患者さん自身の治療参加です。

そのためには患者さんに治療への理解を促さなければなりません。

患者さん自身が症状マネジメントすることも、そのために重要なことです。

自身の身体的症状を客観的に評価し、適切な治療を行うことで症状緩和を図り、セルフケア向上をサポートするのが役割です。

そして家族の支援も緩和療法において忘れてはならないケアの一つが仕事の役割です。

家族は患者さんにとっていちばん近くにいる支援者であり、QOLに大きな影響を与える存在です。同時にがん治療は家族にも多大な影響を及ぼすのです。

患者さんの苦痛や遠からず訪れるであろう別れに対する悲嘆、付き添いなど支援のための疲労、人間関係の変化、経済的問題など、治療する本人とともに家族も一緒に苦しく辛い時間の中にいるのです。

患者さんと同様に、信頼関係を築いて家族のニーズを知り、支援することも看護師の役割です。

最後に

がん看護の分野を超えて共通している最も重要なことは「がん患者の苦しみを知ること」です。

がんは長く治療する場合も多く、信頼関係がなければ成り立ちません。

看護師自身もジレンマを抱えながら、ともに治療に参加するという姿勢があってこそ、患者さんや家族は希望を持ち治療に臨みます。

難しいですが看護の醍醐味でもありますから、ぜひチャンスがあれば学んでみてください。

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